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​さっぽろのうた

二〇一八年十一月札幌にて記す

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午前六時、羊ヶ丘のひつじが大志を抱いた
午前八時、ストーブの上のポプラ並木が燃えた
午前十時、赤れんがが威張っていた
正午、中島公園の池の鯉がおしっこした
午後三時、クラーク博士が手袋を落とした
午後五時、大倉山シャンツェから夕陽が飛んだ
午後八時、市電のビューゲルがスパークして王様の髭を焦がした
午後十時、テレビ塔があくびした
午前零時、エゾオオカミの剥製が目ざめた
午前三時、時計台が鐘を打つのを忘れた

午前五時、三岸好太郎の絵から蝶々が飛んでいった

札幌の恋人たちは、とうとう眠ることなく狸小路の狸に戻った

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横から見る時計台も好きです。

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