相米慎二監督没後20年というのは俄かには信じられない。
それでも『お引越し』を久々に見て、今の年齢で初めて分かること、共感できることの多さに、時の流れを… 今まで分かったつもりでいたのだろう。
『ションベン・ライダー』もそう。 伊武雅刀さんの警官はあんなにせつなく、原日出子さんのアラレはあんなにかなしかったっけ。
あの長回しでの登場人物の情熱から、いや、「あがき」から、ものづくりは巧さじゃないぞ、器用さじゃないぞ、と教えてもらったと思っている、勝手に。 (監督自身は、長回しというのは映画の作り方からいってもちゃんとしたものではなく、今の自分の能力ではそれしかできないからやっているのだと。ゆくゆくはちゃんとした表現で撮るべきだろう、と語っていた)
演技について質問してくる役者に監督は、「そんなことてめえで考えろ」と突き放したという。 「それはお前の役なんだから、お前がいちばん知ってるだろう」と。
下手だろうが拙かろうが素人だろうが、今やるかどうか、それしかない。 てめえで考えろということ。
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