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執筆者の写真higouti

手負いの熊



ヤフオクで応札がなく、しばらく再出品を繰り返していた熊。

傷が痛々しくて…


結局入札してしまったが、

傷だらけ。


しかし、これはただものじゃないなと。 とにかく造形が素晴らしくて。


いままでたくさんの木彫り熊を見てきたけれど、これほどまでに「熊」を感じさせるものには、そうはお目にかからない。

「素の熊」という印象。

熊のことをよく見て、熊を知っている人の作ったものだと思う。



奧山さんに画像を送って見せたら、「なんだかかなしそうな顔してるね」と。

まぶたの削れているところだけでも補修出来ないものかしら。 それとも、このままの状態で置いておくのがいいのか。



「旭川アイヌ・松井作」とある。 名工として知られる松井梅太郎の作かどうか分からないけど、古いものだと思う。 昔の旭川近文で、どんな家で、どんな暮らしのなかで彫られたんだろうか。


傷を負った熊の、ひととき座り込んでの休息。 そんなことを思いながら眺めたりしている。

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