higouti
くよくよするなよ

ボブ・ディランには意外と失恋ソングが多い(てゆうか全部そうなんじゃないか?)。
ぼくは"くよくよするなよ"が好き。
ディランの当時の恋人スーズ・ロトロ(フリーホイーリンのジャケットでディランと腕組むひと)が彼のもとからいなくなって、さびしくって、自分で自分を励ますために作った歌。
"グッドバイなんて言わないよ/元気でな…って別れよう/君がそっけなかったなんて言わないさ/もうどうでもいいさ/くよくよするなよ"
(Don't Think Twice, It's All Right/くよくよするなよ)
ところでディランの最高傑作アルバムは"追憶のハイウェイ61"だろうか。
うん、それでもいい。(ぼくはマイク・ブルームフィールドとアル・クーパーの演奏は本当好き)
でも、1曲目の"ライク・ア・ローリング・ストーン"の歌詞がこれまた失恋ソングで、ディランの新しい恋人のイーディ・セジウィックとすぐに破局して、その復讐のためにねちねちと言いがかりをつけるように書いたといわれる歌詞が、ぼくはちょっと嫌なわけだ。
イーディみたいな繊細そうな子にそこまで言わなくても…って思っちゃう。
だいたい初めて聴いた頃は、ブルジョワ層への辛辣なメッセージが込められている"プロテスト・ロック"だと思っていた。
いや、本当はそういう部分もあるのかも知れないけど、でもこの年になると分かる。
あんな歌詞、イーディにざまあみろとでも言ってるだけだ。
子どもなんだあの男。
"どんな気分?どんな気分だい?/ひとりぼっちで/家も失って知り合いもいなくなって/転がる石みたいになって"
(Like a Rolling Stone)
なんだか"追憶のハイウェイ61"のジャケットも、あれはあれでいいんだけど、あのシャツの柄とかないわと思ってしまう。(自分的にはディランが気に入って着ている水玉シャツもない)
まあいいけど。
ぼくもいろんなことにくよくよしないよベイブ。